Yuto Kawabata:魚が言葉になるとき−親子と行く水族館での学び−

魚が言葉になるとき−親子と行く水族館での学び

 
参考文献:千葉雅也『勉強の哲学 来たるべきバカのために』文藝春秋
人間は「言語的なヴァーチャル・リアリティ(VR)」を生きている。
水槽の中の光景を、言葉で描写し、あたかも元々知っていた知識かのように解説してくれる友人の子どもを見て、この一節を思い出した。物質的な現実と重なりながら、「現実まるごとに対する他者」として“言語の世界”が存在している、と語る著者の言語観に影響を受け、調査テーマは次第に、子どもの目に映る現実と言語の関係へとシフトしていった。
最初の問いは「大人になるとはどのようなことか」という漠然としたものでした。ふらりと訪れた水族館で、親子が海の生き物を指差し、名前を声に出して呼び合う光景を見たとき、“学び”のはじまりの姿を見つけられたような気がしました。今回の展示は、そんな体験をきっかけとして始めた「学びのフィールドワーク」の記録です。まずは友人家族4組と一緒に、水族館で遊んできました。