ken ken:不自由ない都市生活における満たされなさ
不自由ない都市生活における満たされなさ
参考文献:山尾三省『火を焚きなさい』野草社
人間は
火を焚く動物だった
だから 火を焚くことができれば それでもう人間なんだ
火を焚きなさい
人間の原初の火を焚きなさい
やがてお前達が大きくなって 虚栄の市へと出かけて行き
必要なものと 必要でないものの見分けがつかなくなり
自分の価値を見失ってしまった時
きっとお前達は思い出すだろう
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都内勤務で妻と2歳の娘との3人暮らし。そんな「日常」の中に焚き火があればいいのに願い、「フィールド」として焚き火ができる場所を探し求めた。焚き火という尺度で見る都市生活の不自由さを噛みしめながら、いちばんの障壁はじぶんの内側にあったということに気づかされるまでの記録。