根岸浩章:「モノの扱いに現れる隣のじいちゃんの仕事観・人生観」
「モノの扱いに現れる隣のじいちゃんの仕事観・人生観」
キーワード
① 80歳 現役大工
② ブリコラージュな生き様(ブリコラーじいちゃん)
③ モノを介して「わかろう」とする
参考文献
「MAKING / ティム・インゴルド」
「つくること」は物質と力を合わせ成長する過程であるとインゴルドはいう。目の前にある素材と自身とを対応させながらモノをつくりあげていく職人としてのじっじの姿勢に迫るうえで、本著からヒントをもらった。
概要
我が家の隣に住んでいる「じっじ」。80歳の現役大工。うちの自治会の組長で、この地区の歴史と文化に詳しいここでの暮らしの師匠。ぼくと妻のことを気にかけてくれる、この土地でのおじいちゃん的存在で、一緒に酒を飲んで冗談を言い合う友達のような関係でもある。そんなじっじがどんなふうにこの世界を眺めているのかが、ふと気になった。
作業現場などから「とりあえず」持ち帰られ、家で大事に保管されたり、次の所有者に渡ったり、新しいなにかに生まれ変わったり、結局出番がなく処分されたりするモノたち。それらはどういう経路や経緯でここに辿り着き、これからどこに向かうのか。あるいは、どういうふうな価値を見出され、どのように仕分けられているのか。
モノを触媒として、隣のじっじのことをわかろうとした記録です。